2009年05月08日

【タキザキ坊ちゃん物語】




親譲りの低い背丈(父親149cm・母親148cm・オレ147cm)で子供のときから損ばかりしている。

それでも小学校2年生くらいまでは「なんてかわいいお坊ちゃんかしら・・・」と近所で評判のかわいい男の子だった。




その評判が崩壊し始めたのが、小学3年の時。
背丈は相変わらず小さいのに、急速に顔だけが進化し、日ごとに老け始めるという珍現象。

昨年話題となった映画、ブラッド・ピット主演の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』とはまったく逆の「数奇な人生」。
つまり、「かわいいお坊ちゃん」から「かわいそうな“とっちゃん坊や”」となったのだ。



「若いときの老け顔は、年取るといい感じなオトナ顔になる」
という通説を信じてみたが、
その後、中学〜高校とついたあだ名が「ハナ毛」とか「アブラ」とか、あまりにもストレートすぎるマイナス容姿の代名詞。
この低い背丈についてる老け顔とは、切りたくても切れない運命共同体のツンデレラコンプレックスな青春時代。

どれくらい老け顔だったかと言うと、高校の時行った床屋が、ことごとく「学割」してくれないくらいの見た目が老け顔。
床屋の第一声は、「今日はお仕事お休みですか?・・・・・・」と、完璧に有給休暇のサラリーマン扱い。
それでも意地で「学割訪ねて三千里」、自転車こいで1時間の隣町の床屋まで行ったが、「学割」されなかった老け顔の青春時代。

それでも青春時代に付き物の、しょっぱい恋話(略して、ショコバナシ)は数知れず。


その毎度バカバカしくも、童貞特有の白く濁ったショコバナシを一席。




中学の時に好きになった女の子。
目をつける女の子は、クラスで一番二番の人気の子ではなく、存在は微妙だが、なんかちょっと影があるちょっとかわいい女の子。
その子となんとかきっかけ作るために、犬の散歩を装って、遠く離れたその子の家の近所をうろうろしていた。
毎日毎日、雨の日も風の日も、そして犬も杓子も・・・
と言いたいところだが、毎日訳もわからず遠くまで引きづり廻されてる犬はたまったもんじゃない。

犬はへとへとになって、ついには歩くのを拒み、しかたなくその犬を背負って歩いた哀しい夜空の向こうの帰り道。
小さい老け顔の中学生が、犬を背負って歩いてるって、いったいどんな「楢山節考」にゃんだ。
それならつまり背負ってた犬は“緒方犬”だった。

その女の子とは「猫ひろし」となってから、テレビの番組企画で再会した。
その子が初めて明かした当時の印象は、
「マラソンが早くて、犬の散歩をしてた人」
わかりやすいくらい大雑把なつかみ方のどうでも良い存在な記憶だった…。





高校の時、健康ランドの厨房で皿洗いのバイトをした。
その頃のオレは、客から「不法就労のイラン人」と間違えられるくらいのアブラギッシュな怪しい顔。
そのバイト先の同僚の女の子を好きになった。
その子もまた、存在は微妙だが、なんかちょっと影があるちょっとかわいい女の子。

この胸のときめきを伝える為に、その子の自宅に電話することになった。
どうやってその電話番号を調べたかと言うと、バイト先の事務所にあった名簿を、引き出しから探して盗み読みしたのだ。
昔からこういう事にはかなり頭が廻っていた。悪事偏差値85はあったはずだ。

そんなオレは漫画から学んだ恋愛テクニックを実践することにした。
「告白する時は、何かプレゼントをしよう!」
と書いてあった・・・かどうかは、とにかくそう勝手にそう理解した。(これでイケル!)
そこのバイト先の忘年会があった帰りに、友達に付き合ってもらって、ついに彼女に告白。
バイブル通りに、その子に渡したのが修学旅行先の京都で買った新撰組のマグカップ。

「京都→新撰組→マグカップ→告白→カップル誕生!」
我ながら成功の方程式は完璧・・・・のつもりだったが、

「いらない・・・・・・・」
と投げ返されたマグカップは、オレの頭に命中し、こなごなに砕け散ったブロークンハート。
気まずいカンケイになったその子に、以前貸したCDがTRFの「サバイバルダンス」。
まさにオレの恋愛がサバイバルダンスそのものだった。そして小室ファミリー崩壊そのものだった。

高校3年の時に好きになった同級生の子。
もちろん方程式通りの影のある女の子。
公園に呼び出して告白することにした。
事前情報で友達が言うには「なんか脈アリ。あっちもうれしそうだぞ・・・」とのこと。
(よっしゃぁ〜〜〜勝ちが見えた!)
そして、その子が公園にやってきた。

待ってるオレとその子、目〜と〜目で〜〜通じ合った・・・無言色っぽく、ないない、にゃい・・・。
その告白するのがオレだとわかると、一転して、緊急に落胆の表情。
それで俵に足がかかっていても「付き合ってください」と告白したオレ、
その子は容赦なく、「いや!」と決まり手。

しかし巳年の執念深さを発揮して、ほとんど両足は俵の外に出てるところで、
「なら友達として・・・」とオレ、
ほとんど勝負ついてるのに、その子も負けじと「友達もダメ!」と、とどめを刺してきた。
また失恋レストラン、「ヘイ、マスター、涙流す激辛カレー大盛りで・・・やっぱ中辛でいいや。」

そして初めての大学受験に失敗して、暗い浪人生活が始まると思いきや、
そんな微妙な時に立ち直りだけが早いオレは、新しい好きな子に告白したらにゃにゃにゃんとOKをもらって、逆転のバラ色の浪人生活が待ってる。
ところが、なんせ初めてのカノジョ(?)なので、フツウに会話が続かずなんかギクシャク。
このふたりのおもしろくもなんともないあやふやなカンケイを、カノジョに電話で再確認した。
「予備校どこにするの?」
「東進・・・」
「え〜偶然だね、オレも東進!」 (男らしく以上!、会話終わり)

その子は、同校であるはずなのに1年間顔を合わすことがなかった。
つまりオレと会うのが嫌という理由だけで予備校を変えていたのだ。
結局、自然消滅と言うか、初めから何もなかったのだ。

まあそれでもスーパー立ち直りの早いオレは、
予備校の同級生に、いつものオレの方程式にピッタリの子を見つけて告白。
そしたら、「う・・うん・・・」と言ってくれた。控えめな返事がかわいい〜やったぁ〜〜〜。

次の日、カノジョ(?)は、廊下で会っても、目を合わそうとせず、話しかけても完璧スルー。
さらに話しかけても、体ごとよけて、さらに追えばまたよけて、小学校のドッヂボール状態。

(そっか、きっと皆の前では恥かしいんだな。可愛いいハニーだ)

と、オレは帰りにカノジョを待ち合わせと言うか待ち伏せしてた。
すると校内放送で 「キンコンカンコ〜ン、最近学校の周囲に背の低い怪しい不審者が出没していますのでご注意ください」
下校するやつらからの冷たい視線ベクトルを浴びた、つまりその「背の低い怪しい不審者」とはどうやらオレのことだった。

その子はそれからしばらくの間、両親を伴って予備校に登校していた。
友人に確認の探りを入れさして、その報告によると、オレが告白した時カノジョが「う・・うん・・・」と言ったのは、
単にオレが怖くて、断ったら何かレイプでもされそうだったという恐怖心からの返事だった。

「あ〜〜とにかくカノジョ作るには大学生になるしかないな・・・・」
一浪して大学に入学した。バラ色のキャンパスライフが始ま・・・るはずが、
春が過ぎ、夏が過ぎ、秋が過ぎ、冬が来て、そしてまた春が来て、
毎日毎日妄想三昧、青春童貞人生は延々続いていた。

類は友を呼ぶもので、同じ寮の仲間も思いっきり童貞だった。
オナじ童貞同士で同盟を組んでいた。やはり大切なのは固い絆の友達だ。

そんなある日そいつが「オレ彼女ができたんだ・・・・」
とカミングアウトしてきた・・・・・・・・「彼女ができた=童貞卒業」と暗黙の了解。

許せん。
このオレがまだ童貞だと言うのに、こいつはもうアレを知ってるのか・・・・。憎しみ。

毎日、自転車登校してたオレたちだったから、次の日そいつが前を走ってた時に、
本気で、本気で、本気で、そいつの以前とは比べられないほど大きくなったでかく背中に石を投げてやろうと怒りがこみ上げてきた。


それでも遅ればせながらオレの童貞喪失は、
引越しの手伝いをしてやった御礼におごってもらった吉原のソープランド。
ロマンチックも何もないただただ童貞ではなくなっただけのこと。

それからというもの、オレは目覚めた、風俗に目覚めた・・・・・・・。
正確には、金回りの良い友人のおごりで行く風俗通いに目覚めたのであった。
なんてすばらしい楽園がこの世にあったんだろう。

ある時、風俗街の呼び込みの「4000円ポッキリ」の売り文句に釣られて友人と入ったら、
個室に入れられ、裸かと思ってたら思い切り服着た風俗嬢が入ってきて、「追加払えば脱ぐけどどうする・・・」
と言われ、つまりボラれてるのだが、どうせおごりだからと追加追加で脱がして、やっと手だけでしてもらった。

そこに連れがいきなり入ってきて、「おまえいい加減にしろ、金払うの誰だと思ってんだ!死ね〜!」と。
まあしかし、後のまつりだ・・・まさに「プレイ後のタケノコ」。


あれから時は流れ、2009年春、今ではおもいっきりひと皮ムケてるオトナのこのオレから、
新入学生、新社会人諸君(特にあの頃のオレみたいなD.T.しょくんに)に言いたいことがある。

童貞であろうがなかろうが、

そんなの別に“どう〜〜ってぃ”ことないよ。

それより、人生のチン生の中で、肝心かなめチンチンなめなめなのは、



迷わずムケよ。


ムケばわかるさ。

(おわり)



posted by 猫ひろし at 12:58| Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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