今、日本各地では、大なり小なりのマラソン大会が開催されている。
今や、日本全国が「ゆるキャラ」か「マラソン大会」と言うくらいの人気企画(?)だ。
そんなマラソンレースに、オレはここ数年 “猫まっしぐら” に走っている。
オレは、「お魚くわえたどら猫」と言うくらい、走っている。
マラソンの人気はマラソン中継の安定した高視聴率にも表れている。
「ただひたすら長い距離を走る人たち」
を見てるだけなのに多くの視聴者がいるということは、マラソン中継っていうのは本当にすごい。
そもそもオレは、学生の頃からずっと、身長は短いが長距離は得意だった。
距離が長くなれば長くなるほど短い身長とは、反比例して得意だった。
高校の時も毎年マラソン大会では、3年間通して校内1位の成績。
短距離はそんなに速くはないけど、50mの短距離でのスピードをそのまま長距離でも維持できる、
そんな類まれな能力を神から授かっていた猫だったのだ。
ちなみに遺伝か家系か家宝かはわからないけど、次兄も速かった、オレよりさらに速かった。
今思うと、その能力に気づくのが遅かった。
中高6年間、オレは陸上部の花形ヒーロー・・・・・・・
になることもなく、6年間卓球部で、その類まれな才能を自ら棒ならぬラケットを振っていたのだ。
そして青春も棒に振っていたのだ。
そんなオレが30代を目前に本気でマラソンをすることになったきっかけは、TBS感謝祭の目玉企画のひとつ「赤坂ミニマラソン」に出場したことだ。
番組の中で自らの意思によって出場するこのレースに、「長距離は自信があったから出場したい!」
・・・と言う意思よりも、
「出場すればテレビにいっぱいいっぱい映れる!」
と言う芸人的意思の方が強かった。
通常オレがテレビに出演するときは、番組の途中で嵐のようにギャグをやって、
そして嵐のように去っていくという、時間にしたら1分弱の出演が当たり前だ。
それがマラソンなら最低5分は、アップでぬかれるから早漏のオレからしたら5分は、
超魅力的で参加に手を挙げるのは当たり前だった。
そして出場したら、あれよあれよでニャンと初出場で4位入賞と言う輝かしい成績。
まさに、ダークホースならぬダークキャット的、大猫券だった。
それを機会に、その番組でごいっしょさせていただいた谷川真理さんに勧められて、
谷川さんのランニングジム「ハイテクスポーツ塾」に通い、本格的トレーニングをすることとなった。
ちょうどその頃行った健康診断で発覚したのが、
オレのこの小さなノミじゃなく猫の心臓は「スポーツ心臓」だという事実だった。
「スポーツ心臓」とは、特にマラソンなどの長距離走、自転車、クロスカントリースキーなどの
運動種目など持久力を必要とするスポーツ選手に最も適した心臓のことである。
確かに昔から1日3〜4回のオナニーを365日やっても体力は、へっちゃらだった気がする。
そんな神様からの授かりモノをいただいたことを知ったオレは、心臓が張り裂けそうな興奮と驚きだった。
昼間は週2回「ハイテクスポーツ塾」で最新鋭のトレーニングを行い谷川さんにも指導した中嶋コーチにめちゃくちゃしごかれ、
夜は仕事が終ってから、ほとんど毎晩10km程ランニングと筋トレをする生活となった。
深夜のランニングでの出来事・・・
深夜に147cmの小猫が走ってると、深夜なのに意外と敵が多い。
学生の時、田舎の中学校の外周を走っているとどこからともなく、野良犬がやって来て、足に引っ付いて、腰をカクカクシコシコやられるのは、多々あるが都会は、また違う。
例えば、ヨッパライ。
夜1人で走る時は、iPodをして走るが、イヤホンとは、別な所から突然、
「ネコ〜! ネコ〜!」
と大声が聞こえてくる。
後ろを振り向くとサラリーマンのヨッパライ2人組が追っかけてくるが、ヨッパライからしたら俺のスピードは、超ハイスピードらしく、気が付くと1人づつ脱落していった。
コレくらいは、猫飯前のことだが、
絶体絶命のピンチもある。
例えばラッパー。
深夜にオレが走ってた時、オレの横をゆっくりと並走する一台の大きなフルスモークの車。
やな予感がしてきた・・・・
その黒スモークの車は、オレの前方に停車すると、
車の中からこれまた黒いラッパー風のでかい4人のブラザーたちが降りてきた。
(ここらからしばらくラップ調で読んでみてYO〜!)
「お〜〜やっぱり猫じゃねえか!HEY!ニャ〜〜〜ン!」
でかいラッパーに囲まれた俺!まさに四面楚歌の八方ふさがり!絶体絶命状態!
その中の一人がこう言った!
♪YO、YO、猫YO〜!オレおまえのファンなんだYO!いっしょに写真撮ってくれYO〜!
いくら逃げ足の速い猫でも、逃げる道はない!
観念して笑顔で写真をいっしょに撮る!ブラザーたちは喜んで
「ありがとうYO〜、昔から大好きだYO〜
これからも応援すっからYO〜!」
と言ったそのブラザーのTシャツは、
「タカ&トシ」だったYO〜!
俺のファンじゃねぇじゃねえかYO〜!
例えば警察。
深夜にマラソン仲間のなべやかんさんと真面目に走っていたら、後ろから近づいて来たパトカーがいきなり
「前の小学生止まりなさい!」
と言ってきた。
知らんぷりしてたらまた
「そこの小学生2人組止まりなさい!」
と言って、オレたちの真横に来て顔を見るなり、
「なんだ、親父じゃないか」
と言ってそのまま通り過ぎて行った。
前から見たらただの小さい親父2人組だが、深夜に後ろから見ると小学生が家出をしてるように見えたらしい。
かなり失礼だ。
そんな突然の敵との遭遇もありながらも、オレは毎晩毎晩走っている。
初のフルマラソンへの挑戦は、去年3月の東京マラソンだった。
以下がその時の記録・・・・
ナンバー:31811
氏名:猫ひろし
種目:マラソン男子
地点Point: スプリットSplit: ラップLap: 通過時間Time
5km 00:31:07 09:41:07
10km 00:57:10 0:26:03 10:07:10
15km 01:25:16 0:28:06 10:35:16
20km 01:50:42 0:25:26 11:00:42
25km 02:16:32 0:25:50 11:26:32
30km 02:47:52 0:31:20 11:57:52
35km 03:13:29 0:25:37 12:23:29
40km 03:38:29 0:25:00 12:48:29
Finish 03:48:57 0:10:28 12:58:57
初出場にしては上々のタイムだ。
この時に2つの目標ができた。
一つは3時間越え!そしてもう一つは、
レース中トイレに行かない!
実はトイレの近いオレは、レース中トイレに4回(うち1回は、うんこ)行っていた。
だからその2つを目標に今もコツコツにゃ〜にゃ〜練習に毎日励んでいる。
去年12月に宮崎市で開催された「青島・太平洋国際マラソン」
これに宮崎県の東国原知事からご招待いただき、もちろん望むところのお招き猫でフルマラソンの部に出場した。
結果は・・・・・・・・
無事完走したけど予定タイムより1時間オーバーのタイムだった。
折り返しの21キロまでは体も調子良く、1キロ5分弱ペースで走っていたので、
目標タイムの3時間30分をきれると思っていたが、21キロの折り返し地点で、レース中1回だけのおしっこと自分に誓い、トイレに行ってから体に異変が起きた。
走っててなんか体が熱いから、給水場で頭から水をかぶる。
でも周りの走っている人は、頭から水をかぶっていない。
何故か?
当たり前だ。
12月の真冬で寒いから走ってても誰も頭から水をかぶる人も猫もいるわけがにゃい。
ただ俺は、暑かった。猛烈に暑かった。
でも頑張って走った。
しかし熱い想いとは、裏腹に熱い体は、段々動かなくなり、1キロ5分だったのが、1キロ7分8分・・・最終的に10分以上までおちた。
こんな事練習でもなかったから焦ったが、とにかく完走目指して頑張って走った。
ラストの10キロが今まで味わったことないくらいつらくて、30歳すぎたおじさんが本当に泣きそうになった。
沿道のおばちゃんに、「きゃっとがんばんなよ〜」と相撲取りみたいに背中をバチコ〜ン!と叩かれたが、いつもみたいにギャグで応戦する気力もなし。
ゴールまで最後の200mをまさに死ぬ気で走りぬいて、
結果タイムは・・・・4:36:20・・・・・・・・・・・・・・・・
会場をあとにして、念のため体温計で、計ってみたら、39℃も熱あるじゃねえか!
良くゴールしたよ、オレ!
頑張ったよひろし!
この鬼のようなレースで途中8回もトイレ行ったけど、
多分体調がおかしくなった21キロ地点のトイレでオシッコ出した代わりに、ちんこの先っぽから病気が入ったんだ。
そうに決まってる。
熱が出るハーフまでは、良いタイムだったから、熱が出なかったら、多分世界新記録出てたな。絶対出た。出てたに決まってる!
でも体調管理も選手のやることの一つだ。
そういう意味でも、この青島太平洋マラソンは、本当にためになった。
だから来年是非リベンジしたい!
知事、是非そのまんまリベンジさせてください!
今年に入ってからは、ハイテク塾主催「谷川真理ハーフマラソン大会」で自己新記録の1時間25分が出た。しかもトイレも行かなかった!
目安として、このタイムを2倍して、10分加えたタイムがフルマラソンのタイムになると言われてるので、
1:25x2+10=つまりおよそ3時間。
オレの目標である夢の3時間越えが見えてきた。
この計算は決して無謀な「猫の皮算用」ではない。
皮はすでにちゃんと切ったんだから・・・・
(意味のわからない人は前々回のコラムを読んでください)
ということで、いよいよ今年3月の東京マラソンは、目標の3時間越えとノートイレが射程距離に入っている。
ちなみに、倍率7,5倍と言われている超難関の東京マラソンの抽選に無事受かったオレだが、実は一つ無事ではなかった。
今回芸名「猫ひろし」ではなく間違えて
日本陸連登録名の
本名「瀧崎 邦明」でエントリーして受かってしまったのだ。
だから今回は、
「猫では4時間越え!瀧崎では3時間越え!」
に向けて現在、日本あちこちのマラソンレースに参加しながら練習している。
調子も猫上がりに良い感じだ。
マラソンの話だと、ついついマジメに終ってしまうけど・・・・
いいんだ、
それでも、メロスもひろしも走ったのだから。
(おわり)
☆最新鋭の指導で、恐るべし記録を発揮させてくれる(猫ひろしは、フルマラソンのタイムが実際、1年で40分近く早くなっています!)
谷川真理さんの【ハイテクスポーツ塾】 http://www.hi-sports.com/index.html